thousandgrass’s fields

一日一生の毎日を。

もしものための話し合いを「もしバナゲーム」で。

皆さま、ごきげんよう。

梅雨明けしたと思ったら、特別警報が出るなど不安定なお天気が続きましたね。

各地の自然災害にも心を痛めますし、このところ関東でも地震があったりで、予測不能な自然の営みに太刀打ちできない人間は一体どうすればいいのだろうかと、時に途方に暮れてしまいますね・・・。もしもの時に備えておくしかないのでしょうか。

 

人間の「生老病死」も予測不能なことが多いものです。

最近私の界隈でも「終活」「エンディングノート」といった人生の最終段階に関する話題がホットです。

そこでいつも思うのですが、予測不能なことに直面した場合に何かの決断をする際に、一体誰の意思が尊重され最優先するのだろうかと。特に、人生の最終段階において、たとえば延命や治療停止など、いわゆる終末期、死にゆく過程では誰の意思を最優先させればよいのでしょうか。

 

ちなみに、厚労省から「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(平成30年3月改訂版)というものが出ています。

この内容については概ね頭では理解できるのですが、いざ実際に近しい身内がそのような状況に置かれた場合、自分がどう判断して決断するのか、いくらガイドラインがあるといってもきっと激しく動揺して迷いまくるのではないかなーと私は思うのです。

 

仮に事前に本人の意思確認をしていたとしても、その瞬間にどう思うのかは分からないんじゃないのかな?とか、「推定意思」って曖昧だなーとか、果たして実際に本人の意思を尊重して最優先できるのだろうか?とか、遺されることになる家族の意思はどこにいっちゃうのかな?とか。

 

私は一応大学院の緩和医療学・臨床死生学研究室で研究をしている身でありまして、それなりに学んでもいる方だとは思いますが、いざその場面になったら、正直冷静に判断して望ましい決断ができるか否かはかなり怪しいなと自分でも思います。

これがまさに臨床の死生学というところでしょうね。

 

しかしながら、実際にその瞬間に遭遇する以前に、もしもの時のためのことを話し合っておくというコミュニケーションは大切なのでしょう。

そんなコミュニケーションツールの一つとして、iACP | もしバナゲームというものを教えていただき、購入してみました。

 

詳しくは↓コチラを参照くださいね。

www.i-acp.org

「もしバナゲーム」とは
1人でも、2人でも、またもっと多くの 人数でもゲームをすることができます。
1セットには36枚のカードが入ってい ます。そのうち35枚には、重病のときや死の間際に「大事なこと」として人 がよく口にする言葉が書いてあります。

たとえば、「どのようにケアして欲しいか」、「誰にそばにいて欲しいか」、そして「自分にとって何が大事か」、という内容です。

(もしバナゲーム、iACPホームページ、https://www.i-acp.org/game.html

  、2018年7月8日参照)

 アマゾンでも買えます。

もしバナゲーム

もしバナゲーム

 

 

そこで早速自分もやってみて、数名の方にもやってみていただきました。

要は36枚のカードに書いてある「重病のときや死の間際に大事なこと」の中で、おおまかに優先順位をつけていくという作業をして、優先順位が高い10枚程度について、それはどういうことか、何故それを選んだのか?等について話を聴く、話し合うということをしてみました。

 

面白いなーと思ったのが、優先順位が高い10枚程度のカードに書かれた内容とその傾向が、人によって全く異なる、ということでした。

自分ではかなーり優先度が高い内容が、他の人にとっては優先度が低かったり、その逆もあって、人それぞれ考えていることが本当に違うんだなーというのが実感です。

つまり、あの人にとってどうでもいいことは、私にとっての大切なことであり、私にとってどうでもいいことは、あの人にとっての大切なことであり得るということです。

これは別に悪いことではなくて、人によって大切だと思うことが違うんだよ、ということをお互いが理解することが大切なのだと思います。

そして、だからこそやはり日ごろからの話し合いやコミュニケーションが大切なのでしょうね。くわせて、優先事項はその時々によって変わりゆくことを理解しておくことも大事なのだと思います。

 

ちなみに、私は高齢の母親にもやってもらって話をしました。

いくら家族とはいえ、本人の考えや望んでいることを日頃からよく理解しているとは限りませんよね。

母親が望むことはこれまでにも何となく話し合うことがありましたが、10枚程度の優先度の高いカードの内容と選んだ理由を聴いてみて、一番近しい身内ながらなるほどなーと思うことがありました。私はやってみて良かったです。

とはいえ、実際にそんな場面に遭遇した時に、私が望ましい判断をできるか否かは未だ怪しいのですが、、、全く本人の意思を聞いたことがない、話し合ったこともない、というような状況に比べるとまだマシだよなーっと思いました。願わくは、本人の意思を最大限に尊重して望ましい判断ができることを祈りたいと思います>わたし。

 

さいごにもう一つ、面白いよなーと思ったことを。

私も自分でカードに優先順位をつけていったわけですが、その時に一番大事かもしれないと思ったカードが自分でも結構意外でした。

 

それは↓コチラ。

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え、重病の時とか死の間際でユーモアを持ち続けることが一番大切なんですか?>わたし 

もっと痛みが無いとか、家で最期を迎えるとか、家族と一緒に過ごすとか、いろいろあるでしょうよ、と思ったのですが、なぜかこのカードが一番ピンときたのですよねー。まぁ今後変わるかもしれませんけれど。

自分でもなんでこれが一番ピンときたのかいまいち不思議なんですが、死生の際においてもユーモアを持ち続けたいという意思はこれからも忘れないでいたいと思います!

 

あなたも「もしバナゲーム」でもしものための話し合いをしてみてはいかがでしょうか。

 

Thanks,

Chigusa