thousandgrass’s fields

一日一生の毎日を。

別れの効用と、スナックあの世この世。

皆さま、ごきげんよう

東京では蒸し暑い日が続いています。

大雨による被害も出ているようですが、梅雨明けが待たれるところですね。

 

ところで。

年を重ねても、初めての体験ってまだまだあるものです。

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なぜかこの年になるまで銭湯というところへ行ったことがなく、人生初の銭湯に行ってまいりました。

銭湯といっても、キレイでオシャレな感じでしたが、真っ黒なお湯の天然温泉もあって、リフレッシュできました。

しかし、なぜ銭湯には牛乳とかフルーツ牛乳が置いてあるんですかね?お風呂上りに牛乳って飲みたいかな?不思議です。

あ、私が飲んだのは勿論ビールですが。w

 

前置きはこれぐらいにして。

本論はイベントに参加して参りましたので、そのお話です。

 

イベントの内容は、

映画上映&トークセッション 「別れの、そのあとに。〜別れの効用〜」 | Peatix

をご参照くださいませ。 ※このイベントは終了しています。

 

peatix.com

 ※しつこいですがこのイベントは終了しています。

 

死別によるお別れは本当に辛く悲しいものです。

しかしながら、お別れのそのあとにも、遺された者たちの人生は続いていきます。

遺された遺族は悲嘆からの立ち直りのプロセスを辿ると言われているのですが、その中で、お別れにも効用はあるのだろうか?という、大切なことを考えるとても有意義な機会になりました。

 

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まずは、ドキュメンタリー映画『家族の軌跡〜3.11の記憶から〜』(大西暢夫監督作品)を鑑賞しました。大西監督ご自身も会場に駆けつけてくださいました。

 

www.youtube.com

未曽有の大災害で多くの尊い命が失われてしまいましたが、遺されたご遺族が大きな悲しみを抱えてもなお、生き続けているリアルな姿が描かれていました。

ぐっと胸に迫るものがありましたが、私はご遺族の方々が生き続けている力強さに惹きつけられました。復興というのは、目に見える形のある物だけではなく、人と人生の復興のことでもあるのだなぁと。

人は、絶望と希望の狭間で、それでも生きていくのだと、しみじみ考えさせられました。

 

そして、トークセッションでは、死別によるお別れの効用について、参加者からもお話を伺う貴重な機会となりました。

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恐らく参加者の多くは死別経験による深い悲嘆を抱きながら、今日まで生き続けて来られた方だったのだと拝察します。

各々の方にそれぞれのストーリーがあり、死別経験や喪失体験というのは本当に多様で、それぞれの立場も想いも悲しみも異なっていて、悲嘆やお別れの効用も人それぞれなのだろうと、当たり前ですが改めて実感しました。

 

ちなみに、私は二度にわたって家族の急逝を経験していますが、今ではお別れにも効用はあると感じています。

このことはまた別の記事で書きたいと思っていますが、私の場合のお別れの効用の一つは、

たとえ家族であったとしても、「人はそれぞれその人の人生を生きているのだ」と思えるようになったことでしょうか。

これも当たり前のことかもしれませんが、

「親しき仲にも離別感」

親しき仲にも離別感|日本メンタルヘルス協会:衛藤信之のつぶやき

と衛藤先生が仰っているように、

「あなたはあなたの人生を生き、私は私の人生を生きる」というような適切な離別感を持つことが出来るようになったことは、私の悲嘆からの立ち直りのプロセスの中では大きな気づきでした。

(ちなみに、私は自死遺族となってから、衛藤先生が主宰されている日本メンタルヘルス協会の基礎コースを受講していました。)

「私は私のために生き、あなたはあなたのために生きる。」

ゲシュタルト療法 - Wikipedia

 というのが、「ゲシュタルトの祈り」の一説に出てきます。

 

つまり、愛する家族との突然のお別れは本当に辛く悲しかったけれど、愛する家族も一人の人間として確かに最期まで自分の人生を生きたはず、だから私も私の人生を生きよう、と思えるようになったこと。

この適切な離別感を理解するようになったことは、私のお別れの効用なのかもしれません。

 

そして、夜の部の懇親会にも参加させていただきました。

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大きな病院と大きなお寺の間にあるお店で開催されたのですが、ネーミングが絶妙ですよね。

私はいたく気に入りました!

 

やはり参加者の多くは死別体験を経て深い悲嘆を経験されている方が多く、まさにあの世とこの世の死生のアレコレを沢山お話することができました。

 

死や死別についてのお話って、なぜか忌避されてタブー視される傾向があります。

私たち全員に関わることなのに、なぜか縁起が悪いと言われたり、口を閉ざしてしまったりすることが多いのが現実です。

勿論避けたくなる気持ちも分かります。ただ、大切なことでもあると思うのです。

 

現実的には死別を誰しもいつかは経験するものですし、その時に個々人が思うことや話したいことも沢山あるのではないかと思います。

私も、死別の当初は独りになりたくて抱え込んでいましたが、その後、全てを吐き出してしまいたい思いにかられた時に、あいにく話せる場所を探すことが出来ませんでした。それで、なぜか?心理カウンセリングの講座に通った次第です。

 

確かに死生のお話は日常生活の中ではタブー視はされてしまうことも分かるのですが、死別や死生のアレコレについて、話したい人が、話したいときに、気兼ねなく話せる場所があるといいなーと思っていました。

ので、個人的には、今後常設してほしいぐらいです。

 

そんなわけで、今後恐らくまた別の形でも、死生のアレコレを話せるような場や機会を作りたいと考えています。

 

最後に、本イベントに関わった全ての皆さまに心より御礼を申し上げます。

とても貴重で大変有意義な時間を過ごさせていただきました。

そして、多くを学び考えることができました。

誠にありがとうございました。

 

Thanks,

Chigusa